ワイゼル トピックス2008
09月06-11日 | AIPPI BOSTON 総会に出席 |
当社がAIPPI(国際知的財産保護協会)の会員になってから初めてのことであるが、その第41回Boston総会に榊原社長と松浦顧問の両名が出席した。 総議はBoston市の海側、新しいConvention Center(BCEC)で開催されたが主催国アメリカ部会の運営努力で広い設備、整った環境で盛大な総会が実施された。 会議の進行は、執行委員会、総会の議事と並行して、Work Shop(発表会)が同時に開催されて、会議の討議に参加しない会員も組織活動に参加できるように配慮がなされている。 この総会では人事や財政、将来の会議などの組織運営に関する事項以外に、知的財産権の保護についての現状分析、将来への提言など、伝統的に世界の知的財産権保護の流れをリードして来たAIPPIが世界に向かって発信する決議(Resolution)の討議も重要な部分を占めている。 この決議は、国連の組織であるWIPO(世界知的所有権機構)や日本国特許庁にも届けられて、AIPPIの見解が披瀝される。 出席者は約2000名と発表されたが、日本からは約150名が参加、また外国からも当社の関係先の出席者が多く、会社の現況説明、国際的な人脈作りには効果があったと考える。 現地では榊原社長の古くからの関係先、また著名な法律事務所の代表者の顔も多く見られて「WISEL社もAIPPIに参加しているのか」と当社が再認識されていた。 INTAと同様、各大手事務所のパーテイに招待されたが、中には裁判所を会場に開催しているところがあり、入場にはボデイチェックも必要であったりと、さすがにこの会場選定には驚かされた。 また、会社事業の国際的発展の観点から、会場に設置された情報会社・法律事務所の約30の展示ブースも両名が訪問したが、これも会社の将来図を描く上で大いに参考になったことを付け加えたい。 (記)代表取締役社長 榊原良一、顧問 松浦誠四郎
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05月14-25日 | INTA BERLIN総会に出席 |
本年度からワイゼル社はINTA(国際商標協会)に加入したが、その理由は益々盛んになる知的財産業務の国際交流に対して会社として対応するためであった。 INTA総会は毎年アメリカでの開催であるが、5年に一度はアメリカ以外で開催する。 これはINTAの会員獲得政策でもあり、ヨーロッパ会員へのサービス強化でもある。 AIPPIと並ぶこの巨大組織は会員7000人と言われ、活発な活動は定評があるので、将来当社の事業をさらに国際化するための準備としても、総会に参加して布石を打ちたい、というのが会社の方針であった。 予想通り、大きな会議であり参加者は4000人を超えた。 参加目的を明確にしないと押し流されてしまう危険があるが、榊原は一度目の参加にも関わらず、会の概要と交流会としての有効性を十分認識できた結果となった。 松浦は参加経験があり、社長の初参加をアシストできたと考えている。 二人とも交換した名刺はそれぞれ200枚近くにのぼり、WISEL社の存在を十分にアッピールできたと考えている。 また、この機会にアラブ地域その他低開発地域や中国、インド、ロシア、ウクライナ、ブラジルなどの新興国の弁護士たちとも交流ができたことは今後の調査業務にとって大きな収穫である。 会場内の各事務所や官庁(OHIM,USPTO)のブースも盛大であり、参考になった。 パーティ会場の一つである技術交通博物館 各委員会の終了した日の夕方には、諸大手事務所のパーテイが催されたが、1900名もの客を東ベルリンと西ベルリンの堺にあった元発電所の建物へ招待したり、1100名を技術交通博物館に招いた事務所があり、ボーカル付きの楽団の演奏の中で諸外国の知財担当者と食事とドリンクを大いに楽しみ、話が弾んだ。 公共施設がこのように私的な目的でも利用できることにいささか驚くとともに、市民に対して開放的な姿勢にうらやましさも感じた。 また、このような会は何時に来ても、何時に帰っても構わず、 主催者の開催の挨拶も、お開きの挨拶もなかったが、パーテイの進行には却ってスマートな感じがした。 なお、旅程の中で往路にはミュンヘンに寄り、かねて親密なGrunecker事務所の移転先を訪問して打合せ、 また、故Stockmair博士のご夫人にお目にかかり墓参をさせて頂いたことは大変感慨が深かった。 帰路はパリに立ち寄り、取引先のPASTORS事務所でPASTORSさんと所員のLAVEさん、長年の協力者である、元ヨーロッパ特許庁部長、BEHMOさんにお目にかかりお礼を申し上げることができた。 さらに新規開拓として100年の歴史を誇るというCABINET PLASSERAUDを訪問できたことも収穫であった。 (記)代表取締役社長 榊原良一、顧問 松浦誠四郎
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04月7,8日 | 東京本社社員、調査センター 医薬・バイオグループ小野寺俊之が ヨーロッパ特許庁にて特許検索研修 |
欧州特許庁の「Search Matters 2008」が4月7日・8日に開催され、今年も弊社調査員の小野寺がオランダのハーグまで出張し、研修に参加しました。 今年のセミナーは、参加者全員受講の11講義と、参加者の選択による4研修会が行われました。 以下にその項目と内容の概要を掲載します。 【全員受講の講義】 (1)EPOのドキュメンテーション EPO内に蓄積している特許・非特許文献のデータベース化の現状についての説明。全文検索の他、将来は化学構造や配列検索ができるよう取り組んでいる。また多言語間の翻訳、特に中国を始めとするアジア諸国が近年出願を増やしているので、これらの文献の自動翻訳が重要である。 (2)EPC2000とロンドン合意について EPC2000における変更点(出願日より後に出す請求項、サーチレポートの取り扱いなど)とロンドン合意(請求項の各国語への翻訳)について。 (3)インターネットでの学術文献検索 ネット上で検索できる非特許文献を引例として使う際の注意点などについて。論文が載っている学術雑誌の発行日よりもネット上で速報が出ている場合があるが、公表日、著者名などに誤植がある場合があるので注意する必要がある。 (4)インターネットでの無料特許検索 ネットで無料の特許検索データベースについての説明。esp@cene、Google Patent Search、IPCentury、gopubmed、MEDIEなどについて。 (5)esp@cenet esp@cenetについての説明。 (6)三極協力 日米欧三極制度のハーモナイゼーションについて。とくに特許分類の共通化作業の進捗状況について。 (7)企業の特許戦略 (GE Healthcareの社員が説明) GE Healthcareの知財部の取り組みについて。特許出願の他、他社の製品・特許の調査、新規性・無効調査などの特許調査、独自のデータベース構築などをしているが、これらの仕事は品質保証の点でも大切である。 (8)市場の変化による分類の見直し 時代とともに伸びる技術分野や衰退する分野がある。伸びてくる技術分野ではこれまでの分類では絞込み切れなくなることが予想されるので、出願状況とともに分類も変化していくであろう。 (9)インターネットの先行技術 インターネット特にGoogleを使用しての先行技術調査。見つけたサイトの情報の公表日と特許出願日との関係の検証について。 (10)特許文献の機械翻訳 ヨーロッパ各国間の言語の機械翻訳の精度向上について。 (11)今後の展望 今後の知的財産の世界で起こるかもしれない4つのシナリオ。 @先進国主導で知的財産分野は順調に成長し新たな富を生み出し続ける。国際間の協力・制度の調和も進む。 A欧米とアジアが主導権を争う。 B企業が知的財産を権利として持っていることへ反発するグループ(市民団体、NGO、人権団体など)が台頭し、知財制度は衰退する。 C他社とライセンスをやり取りすることが盛んになって、新たな技術が生み出されていく。 【参加者の選択による研修会】 (1)ペプチド検索 Registry File、CAPlusを使用して基本的なペプチド検索の実習。 (2)バイオテクノロジー分野での配列検索 EPOでは塩基配列を含むタイプの特許調査を、European Bioinformatics Institute(EBI)に委託している。この調査に使えるデータベースとして、FASTA sequence search(主に使用)、BLAST sequence search、GenomeQuest sequence searchなどがある。 (3)進歩性構築について 進歩性否定の論理付けの手順。 @最も近い先行技術文献を見つける。 A技術的特徴のうちどこが異なるのか。その違いは効果に影響を与えるか。クレームされている発明の解決すべき問題は何か。 B当業者がこの先行技術から発明を考えつくか。 (3)EPO審査官のサーチ 発明内容の認定、サーチの省力化のための工夫等について。 【セミナー参加者】 同セミナーには約200人が参加し、ほとんどはヨーロッパ諸国からの参加でしたが、一部アジア(インドと中東)からの参加者もいました。日本からは機械・半導体業界も含め総勢5名が参加しました。 (記)株式会社ワイゼル東京本社 小野寺 俊之
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